新人葬儀屋ブログ

葬儀屋2年目の28歳女子です。本を読んだりアニメを見たりするのが好きです。私が消化したものを紹介していきます。

葬儀業界に就職・転職を考えている人へ

全くの異業種から葬儀業界へと転職を考えている人や
就職先を悩んでいる学生さんへ
葬儀社2年目の私が感じるリアルな情報を
伝えていこうと思います。
 
私が転職活動をしている時、参考になる情報が少なく
かなり困りました。
本はそもそも情報が古いし、テレビやネットは正しい
情報なのかわからない・・・
葬儀社で働いてる知り合いもいないし、
転職エージェントに相談しても
あんた葬儀したことなかろう・・・となりまして。
ベテランのおじさんが言っていることや
ブロガーが書いたコタツ記事の情報など
あまり参考になりませんでした。
(もちろん勉強になる情報もたくさんありますよ)
このなんでも調べられる時代に、欲しい情報が全然
得られない!
もし同じ様に感じている人がいるのならば・・・。
誰かの参考になれば幸いです。
 
葬儀業界で働くってどんな感じなんだろう•••
興味あるけど実際すごい大変そうで心配•••
経験のない自分に葬儀の仕事ができるのかわからない
という人にぜひ読んで欲しいと思います。
 
 

プロフィール

まずは自己紹介をさせてください!
2020年現在 28歳 女性
都内葬儀社で働く業界2年目の見習い
27歳で3年務めた通信業界のベンチャー企業を辞め
葬儀業界へと転職
 
【今のお仕事内容】
  • 事前相談の対応
  • お客様との葬儀の打ち合わせ
  • 葬儀の設営・司会
  • 見積作成や発注などの業務
  • 位牌や仏壇の提案など、アフターサポート
先輩社員にサポートしていただきながら葬儀に関する
お仕事幅広くやらせて頂いています
 
これから葬儀業界で働きたいと思っている人に
知っておいて欲しいことをまとめてみました。
 

今、葬儀業界は儲からない

転職活動の時に周りから言われた事ランキング1位が
「いいね、葬儀屋って儲かるじゃん」でした。
「じゃああんたがそうしてくれよ」と言いたくなります。
業界のことを調べたことがある人は知っていると
思いますが、葬儀業界は今もこれから先も儲りません。
ニュースで散々やっていますがこれから亡くなる人は
20年かけて増え続けます。
20年間は仕事がなくることはないでしょう。
 
しかし、年々葬儀に対してお金をかける人が
かなり減っています。
地域差はあるかと思いますが、私の会社では
通夜式・告別式の2日間かけて葬儀をする家族は
全体の半分にも満たない状態になりました。
 
貧困・低所得問題、核家族化、宗教離れ、
盛大な葬儀にする必要は無いという考え方の変化・・・
さまざまな要因がありますが、ここ数年で一日葬、
火葬式を選択する人が増えている事ははたしかです。 
更にお金をかけて葬儀をあげる人がもっと少なくなって
いく、ということは業界2年目の私にも安易に予測が
つきます。
 
大手なら一従業員がそこまで悩む必要もないでしょう。
しかしそれ以下の会社は葬儀件数は
増え続けますが単価は下がっていきます。
利益が上がっていかないので給与も上がりにくいです。
その上、人手不足も加速していき、利益の出しやすい
大きい葬儀に対応できる会社は大手に絞られ、
利益の出にくい小さな葬儀ばかりが中小零細葬儀社に入り
ますます厳しくなっていくということです。
 
違う見解をしている方ももちろんいますが
実際中小企業で働く私が現在肌で感じている事です。
 

社内の業務が超アナログ

入社以来、うんざりし続けている点がこちらです。
私の前職がIT系のベンチャーだったのもありますが
葬儀業界のアナログレベルは異常です。
 
私の会社を例としてあげてみましょう。
  • 発注やエビデンスを残す業務は全てFAX
  • 進捗確認は、プリントした紙の表に自分のハンコを一個一個押していくシステム
  • 統計の取れない書式のエクセルデータが横行しまくっている
  • 別拠点の事務所との社内情報共有は必ず FAXした後に電話で伝える
  • 売上や利益、件数の年度毎の推移などを、そこそこ上の人が把握していない
【番外編】
  • テキストしか入ってないポスターをイラストレータで作ってる
  • パワポの資料作れただけで超チヤホヤされる
  • そもそもITって何?ってよく聞かれる
 
前職大した仕事をしていなかった私ですが
他にできる人がいないので、
社内の体制改革メンバーの一員になっています。
私の会社は声を上げらマシらしいです。
他の中小零細企業はもっとひどいと聞いています。
てことは見積書、請求書、発注書とか手書きなのかな?
 

収入は高くない、むしろ低い

転職サイトで調べてる人はお分かりかと思いますが、
未経験者は給与低いです。
私はOL時代の年収よりも30万程減りました。
経験者はそこそこ最初から高いかも知れませんが、
昇格昇給には時間がかかると思ってください。
あと給与設定が高いところは基本ブラックです!
 
もし葬儀屋で働く人はみんな給与高そうと
思っている人がいたら、声を大にして伝えたい。
それは違いますよ〜!
 

志がないと続けるのはしんどい

これマジで一番伝えたい。
志をに持たずに葬儀業界入ろうとしてる人
本当にやめた方がいいです。
 
担当者が相手にするお客様は、
つい先ほど家族を亡くしている方達です。
中には故人が危篤になってから病院で3日間
付きっきりで、ろくに休んでらっしゃらない方が
喪主の場合もあります。
精神状態が不安定な方を相手に、誤りない対応が
求められます。
負担をなるべくかけず、冷静に、気を使いながら、
お客様に必要なことを決めていただかなければなりません。
逆にこちらが睡眠不足で葬儀の対応でヘトヘトな時も、
同じ様に対応しなければなりません。
超しんどい時は何度もあります。
それでもお客様のために、と行動出来る人でなければ、
葬儀業界で働くのはやめたほうが良いでしょう。
 
この仕事を好きな人を代表していわせていただきます、
志ない人間はこっちくんな!
 

あなたが想像しているよりもやりがいがある

私から少し助言させてください。
分からないことだらけで、それでもやるしかなくて
とにかく目の前のことをこなし続けて、
たくさん恥かいて怒られまくって、
色んなポジションの人から嫌味言われて
少し腐りながらも最初の敵を味方にしていくと
めっちゃ成長できます。笑
 
逆に結果を出すことに執着できない人や
努力は裏切らない論をお持ちの方は
ちょっと難しいかもしれません。
 
なぜなら葬儀の依頼は急にきます。
すぐに心に傷をおったお客様が来られます。
数日後には葬儀を上げなければなりません。
ご家族が故人といられる時間はもうありません。
間違いは許されません。
完璧な対応をするのが当たり前です。
 
自分なりの努力をするだけじゃ意味がないです。
 
全てはお客様基準です。
自分の努力を図って自己評価する様な感覚の方は
違う業種で働いたほうが良いと思います。
 
葬儀後に「あなたのおかげでいい葬儀が挙げられた」と
おっしゃっていただいた時は帰り道に泣きました。
自分の納得いく仕事ができなくて、帰り道に泣きました。
 
葬儀社で働くと、
真剣に、自分と仕事に向き合うことができます。
心の底からやりがいのある仕事だといえます。
 

葬儀社で働く人はクセが強い

これは私の会社で働く従業員みんなが
口を揃えて言っています笑
私含めみんな、いい意味でも悪い意味でも
クセ強いらしいです。
そもそも葬儀社で働きたい!と思う人が
特殊(少数派?)だからということは
度々言われてきました…複雑…
 
あとは一般企業で働いたことがない人が多いので、
マネジメントの考え方など存在せず、
背中見て覚えろ的な人もいまだにバリバリ健在します。
大体そういう人は業務効率悪いので私は苦手です。
 
聞いた話では、そこの拠点で働く社員のほとんどが
年配の方で、そこに若者でポツンと配属され、
全然馴染めず、仕事も教えてもらえず
1年間社員で在籍したのに何も得られなかったと
いう人がいました。超絶時間の無駄ですね。
そこに1年間在席し続けた人もどうかと思いますが…
 
葬儀業界は昔ながらの人がとにかく溢れてます。
そういった良くない文化が根付いた会社も多いので、
会社選びはきちんとしたほうが良いですよ。
 

まとめ

人の為だと頑張る力が湧いてくるタイプの人には、
ぴったりの仕事だと思います。
 
葬儀社で働くことはとても大変です。
とても大変ですが、本当にやりがいのある仕事です。
社員全員、過労で体が超しんどい時にも
お構いなしに新しいお仕事入ってきますし
自分の体が動く限り限界などありません。
 
そうは言っても今は働き方改革に取り組む会社も
増えてきているので、会社をきちんと選べば
残業時間も短く、休みの時間も確保できます。
 
胸を張って恥ずかしい気持ちなど一切なく、
”お客様の為に行動できる仕事”だと言えます。
もちろん中には惰性で仕事している人間も
必ずいますが、そんな連中は勝手に消えてくれます。
 
どれだけ仕事が大変でも、最後に自分の担当した
お客様のほっとした表情が見れれば
それ以上のことはありません。
 
人のために働きたい、人の役に立ちたい
自分の存在価値が欲しいと思っている人は
ぜひ勇気を持って、
この業界に入ってきて欲しいと思います。